2022/12/31
今年は映画館に行くことが多かったのでブログでベスト10の簡単紹介をやろうと思います。
音楽に関しては実はあまり新しいのを掘れなくて…というか1ヶ月間バーナードパーディのドラムオンリーの(DJのサンプリング用?)アルバムしか聴いてない時期とかあったので割愛…。バンドマンのくせにね。まあ掘ってはいないけど濃くはあったかも。
というわけで映画館で観た新作映画ベスト10です。
(これを読んだ人も今年観た好きな映画をコメントとかに書いてくれると嬉しいです!)
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10位: 『RRR』
年末に観て滑り込みランクイン!
監督の前作『バーフバリ』は1だけ観たもののそんなにノれず…今作もポスタービジュアルだけだとなんの話かよくわからなかったので…正直飛ばそうと思ってたのですが「その熱量じゃ家だと絶対観ないな」と思って駆け込みで観に行ってきました。
結果、めちゃくちゃ観て良かった!
もうね、全てが大胆。大胆で素晴らしい!
映像は小さい画面でも充分楽しめるくらいの大胆さ(主張の強さ)だけど、音の大胆さは映画館でしか味わえないので観るなら絶対映画館な案件。
小学生の頃読んでたジャンプ漫画以来の「帰り道にマネしたくなる」作品でした。
ロード!エイム!!シュート!!!!!
肩車したい!!!
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9位: 『NOPE / ノープ』
『RRR』に続き、この監督実はいままで苦手だった案件。これも飛ばそうと思ってたのですが、結果めちゃくちゃ観て良かった!
あと「観るならグランドシネマサンシャイン池袋のIMAX GTがいいよ!」というオススメも素直に聞いて良かった…!
IMAX上映ってしょうがないんだけど、IMAXカメラで撮影したところだけ画角が広くなることが多くて、それが個人的に苦手だったんだけど『NOPE』に限って、それこそが良かった!
画角が広くなる度に「来るぞくるぞくるぞーーー!」とお祭り気分。
考察が盛り上がる映画を撮りがちなジョーダンピールが、考察抑えめでストレートなお話で攻めてるのも素晴らしかった!
観終わった後1週間くらい元気出た。
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8位: 『LOVE LIFE』
感情の発露や発話について描いた作品は近年とても多いですが、この作品は『ドライブマイカー』のその先を描いてたような感覚がありました。
修羅場に次ぐ修羅場。主人公の感情の揺れの捉え方がとても素晴らしくて、今いる場所に居心地の悪さを感じる人などに観てほしいなと感じた作品。
終わり方がまたすんばらしくて、エンドロールが終わった後しばらく席を立てなかった。
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7位: 『おーい!どんちゃん』
今年『さかなのこ』という傑作を世に出された沖田修一監督(『子どもはわかってあげない』が僕は大好きです)の自主制作映画。
上映回数がとても少なかったのですが、もっといろんな人に届いてほしい大傑作。
俳優たちのシェアハウス、住人の元恋人が家の前に置いていった赤ちゃんをみんなで育てる…というあらすじだけ聞くと「それ本当に面白いの?」と言われるかもしれないのですが、これ本当に面白いんですよ!
ゆるやかに進む映画の中には、物語とは、演じるとは、人生の他者性…しっかりとしたテーマがあり、いつの間にか感動。エンドロールはしっかり泣いてしまった…。
あと。沖田監督の作品はどれも俳優さんが素晴らしい演技をされているなーと思っていたのですが、この作品で沖田監督自身が俳優の一人として演技している(個人的MVP級演技!)のを観てその答えを見たような気がしました。
どっかで観れるようにならないかな〜!
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6位: 『GAGARINE/ガガーリン』
老朽化する団地に一人残された男の子が宇宙を夢想する話。
地味な映画ではあるのですが、一人ぼっちの世界から他者について再認識していく物語が自分に物凄くハマりました…。
複雑な家庭環境を過ごし、憎らしい場所である団地なんだけど、彼には他に帰る場所もない。 良い思い出もあり悪い思い出もある…唯一の拠り所。
モチーフだけでもう好き!
映画の終わりの音がなんなのか、それが何を意味してるかというのも素晴らしかったです。
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5位: 『THE FIRST SLAM DUNK』年末滑り込みランクイン!!
はい大傑作!!!!!!!!ダークホースだったのでは!?
スラムダンク知識0でCGアニメ苦手の自分でも超楽しめました。
よくあるファンの同窓会映画とかではなく、『THE FIRST SLAM DUNK』というタイトルも「スラムダンクはここから観てね」ってことなんだと解釈しています。
登場人物それぞれの試合前のドラマと、試合そのもののドラマ。バスケを1mmもわからなくても問題ないくらい整理された語り口。1つの試合を軸に進ませる大胆な構成。フィジカルの躍動を捉えた画面と演出。カメラワークの巧みさ。音の演出の素晴らしさ…などなど。
考えれば考えるほど、あれ?映画として凄すぎない!??!
もう既に2回目観たい…。
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4位: 『FLEE フリー』
少年時代、内戦で祖国・アフガニスタンから逃げてきた男が誰にも明かしていなかった過去をカメラの前で語る…。
"亡命"という日本人からしたら遠くに感じる言葉がまったく他人事でないということ、そしてその過酷さを描くドキュメンタリー作品。
ドキュメンタリー作品ですが、アニメーション作品です。
ん?ってなると思います。ドキュメンタリーなのにアニメ?
この作品、映画の形式に「何故?」となる部分が多いのですが、観ていく中で全てきちんと理由がわかっていきます。
映画は語りで進行していき、秘密を抱えていた男の話は過去から今、そして未来に繋がっていく。ドキュメンタリーでありながら一個人の人生をなぞる"物語"として演出が本当に素晴らしく、だからこそ観終わったあと冷静に「これは現実で起きてることなんだよな」と再びショックを受ける。
特に、"歴史的な希望"と"個人の絶望"が同じ画角に収まるマクドナルドのシーンは忘れられません。
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3位: 『オフィサー・アンド・スパイ』
巨匠ロマン・ポランスキー監督の新作で歴史モノ…というポスターや予告だけでもすごい敷居が高くみえるし、腰が重くなってしまう気持ちはわかります。
しかし…全然そんなことないから!!と声を大にして言いたい!めっちゃめちゃ面白いしわかりやすいから!!
軍の内部の闇を暴くため…真実を求めるために奮闘するシナリオは、なんなら『鋼の錬金術師』とかの軍の陰謀劇に通じるところもあって、観終わったあとはハガレン好きにオススメしたいと思ったくらい。
そして、何より映画としての快感指数がすごい!!!
俺、今映画観てる!!最高!!!って感じであっという間に終わった。ホント言うことないんだけどなんで誰も話題にしてないの!?
何度も希望を打ち砕かれながら進む物語…そしてラストの会話でそこまで映画に夢中になっていた観客に突き刺す一言。
マジ傑作。思い出したらまた興奮してきた。
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2位: 『ニトラム / NITRAM』
オーストラリア史上最悪と言われる銃乱射事件。
その犯人・ニトラムが事件に至るまでを描いた作品。
「自分ではない誰かになりたい」「ここではないどこかに行きたい」、そんな普遍的な願いを叶えようともがき、ささやかな希望を見失うほどの失望と絶望を味わい続ける挫折の日々。
そんなニトラムの視点で進んでいくおはなしなので、音もカメラもひたすら不穏。
今にも爆発しそうな彼の気持ちを映画で追体験することで、ニトラムが決して自分と遠くない存在であることに気づく。なんなら近所にいてもおかしくないと思うほどに。
とても丁寧で素晴らしかった。
劇場を出たあと、現実の色が少し変わるような感覚にくらくらし、新宿シネマカリテ周辺をしばらくぼーっと歩いたことが記憶に残る。
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1位: 『スパークス・ブラザーズ』
『スパークス』とは何者なのか?
半世紀も活動しながら、その正体が謎に包まれている2人の兄弟によるバンド。その謎を『ホットファズ』『ベイビー・ドライバー』『ラストナイトインソーホー』等のエドガーライトが暴くドキュメンタリー作品。
…ちなみに僕はスパークスを存在すら知りませんでした。でも全く問題ないどころか、この映画をきっかけにものすごく好きになってしまった!
スパークスは今年公開したレオスカラックス監督『アネット』の原案・音楽を担当してたので「あ!あのオープニングで歌ってた人か!」となる人も多いのではないでしょうか。
この映画は主に
①スパークスを聴いてきた人たち(レッチリのフリー、ベック、ビョーク等豪華!)
②スパークスの関係者たち
③そしてスパークス本人たち
…の3つの語り手で構成されてるのですが、①の人たちがスパークスの音楽(と少しのメディア露出)以外を本当に知らなくて、それぞれひたすらに「わたしと(わたしにとっての)スパークス」を興奮気味に語ってるのが最高。
みんな知らないから事前知識0でオッケー!というわけ。
そして音楽ドキュメンタリーとしてものすごく理想的で、ふんだんに使われる楽曲とエドガーライトらしいリズミカルな編集がとても心地よく、気づいたらスパークスにゾッコンになってた。
そして本人たちの語る波乱万丈な音楽人生…。世界的ヒットと不遇の時期…。
音楽作りの姿勢と覚悟が個人的に物凄く刺さり、映画が終わる頃にははじめましてなのに号泣してた。
先輩…マジかっけえっす…。
特に何か作ってる人やバンドやってる人には観てほしいと思ってるドキュメンタリー。色んな人に勧めてるけど誰も観てくれない。観てよ〜
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…というわけで2022年の個人的映画ランキングでした。
書く前はそれぞれの作品1ツイート分くらいの文量にしようとしてましたが、どれもめちゃくちゃ好きな映画なので熱量でどんどん文字数が増えていってしまった。
今年は、個人的に期待してた映画が「観てみたらあんまり…」ってことが多かったのですが、反対の「期待してなかったけど物凄かった!!」という興奮も多くてとても楽しかったです。
調べてたら1位に上げたスパークスブラザーズはもうアマプラで配信してるそうなので、これから観ようと思います。
ベスト10じゃなくていいので皆さんの今年観たお気に入り映画を良かったらコメントしてください。
ちなみに、映画館で観たけど旧作(劇場でやったのは初めて)だったため入れてませんが、もし(映画館で観た中で)旧作アリだったら『ブリュッセル1080、コルメス湖畔通り23番地、ジャンヌ・ディエルマン』が1位だったかも。大傑作。
あと、『スパイダーマン:ノーウェイホーム』はマルチバースなのでランク除外です。
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(映画館で観てない)旧作ランキングだとこんな感じ。
とんでもない作品が入り乱れててウケます。
①機動警察パトレイバー2 the Movie
②ミッション:インポッシブル(1作目)
③千年女優
⑤哭声 コクソン
⑦フェリスはある朝突然に
⑧天井棧敷の人々
⑨ジョニーは戦場へ行った
⑩雨の日は会えない、晴れた日は君を想う
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最後に、今年の映画館鑑賞メモを貼って終わります。来年もたくさん映画館行きたいなあ。
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マルチバースのため除外
・『スパイダーマン:ノーウェイホーム』
・(『ブリュッセル1080、コルメス湖畔通り23番地、ジャンヌ・ディエルマン』)
・『スパークス・ブラザーズ』
・『ニトラム / NITRAM』
・『オフィサー・アンド・スパイ』
•『THE FIRST SLAM DUNK』
・『FLEE フリー』
・『GAGARINE/ガガーリン』
•『おーい!どんちゃん』
•『LOVE LIFE』
•『NOPE / ノープ』
•『RRR』
•『トップガン マーヴェリック』
・『ザ・ビートルズ Get Back:ルーフトップコンサート』
・『グレート・インディアン・キッチン』
・『悪なき殺人』
・『シャドウ・イン・クラウド』
・『コーダ あいのうた』
・『ビリーバーズ』
・『ナイトメア•アリー』
・『MEMORIA/メモリア』
・『ベルファスト』
・『ナワリヌイ』
・『神は見返りを求める』
・『リコリス・ピザ』
・『麻希のいる世界』
•『ザ・メニュー』
・『カモン カモン』
・『ハウス・オブ・グッチ』
・『アネット』
・『エルヴィス』
・『ちょっと思い出しただけ』
・『ただ悪より救いたまえ』
•『ある男』
•『さかなのこ』
・『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』
•『こちらあみ子』
・『偶然と想像』
・『ロスバンド』
•『わたしは最悪。』
・『林檎とポラロイド』
・『ゴーストバスターズ / アフターライフ』
•(『ワイルドスタイル』)
・『愛なのに』
•『モガディシュ 脱出までの14日間』
・『ポゼッサー』
•『女神の継承』
•『女子高生に殺されたい』
・『名付けようのない踊り』
・『犬王』
・『ウェディング・ハイ』
•『ブレット・トレイン』
・『ブラックボックス:音声分析操作』
・『マイスモールランド』
•『グリーン・ナイト』
・『すずめの戸締まり』
・『TITANE / チタン』
・『X エックス』
・『シン・ウルトラマン』
・(『たぶん悪魔が』)
•『劇場版 Re:cycle of PENGUINDRUM[後編]僕は君を愛してる』
・『Ribbon』
・『ドクター・ストレンジ / マルチバース・オブ・マッドネス』
・『クライ・マッチョ』
・『選ばなかったみち』
・『ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密』
•『ブライアンウィルソン 約束の旅路』
•『アバター:ウェイオブウォーター』
・『ドリームプラン』
•『ドント・ウォーリー・ダーリン』
・『ライフ・ウィズ・ミュージック』
計75本